チョマサ

恋多き女のチョマサのレビュー・感想・評価

恋多き女(1956年製作の映画)
4.5
恋愛ドラマかと思ったら政治コメディだった。本当によく出来た映画でそつがないのがスゲーなと思う。書き割りの場面でも色彩いいなと思ったけど、ジャン・ルノワールも絵を描いてたんだっけ?奥行きを表現してる場面や、サイレントっぽい演出もあって、面白い。でも正直テンポが一本調子なのが気になる。オペラに車、新聞、気球など当時あったものを取り入れようとしてるなぁと思った。たぶんオペラはミカドだと思う。日本人形も飾ってたな。ヒナギクの花を使って登場人物の気持を端に示すのもいい。
川本三郎さんの本だったと思うけどイングリッド バーグマンは肩幅広くて力強いから田舎娘が合ってるとあった。これで田舎暮らしの女を演じてるから配役も合ってるんだよな。
あとイングリッドバーグマンの演じたエレナの前の夫が爆弾を作ってたって笑い話に語るけど、それって夫がレジスタンスかテロリストだったってことかと思うんだが、エレナはロランに恋をしてたと言うよりも、単に夫の野望をロランに叶えてもらって、間接的に夫の夢を叶えたかったんじゃないだろうか。
私の理想は完璧な怠惰です、政治的身体、というアンリの台詞が最高にいい。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=7284
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