さすらいの用心棒

恋多き女のさすらいの用心棒のレビュー・感想・評価

恋多き女(1956年製作の映画)
3.0
恋や政治などあらゆる理由から男たちが奔放な公女(イングリッド・バーグマン)に引き寄せられるジャン・ルノワール監督のロマンスコメディ。

色鮮やかで世界で上流階級が惚れた腫れたでドタバタするいつものルノワール作品。
夫と子供を置いて『無防備都市』のロベルト・ロッセリーニ監督と不倫に走ったバーグマンが恋に奔放な女性を演じるとは、ナイスキャスティングなのか、監督一流の皮肉か。
あらゆる思惑が絡まった複雑なストーリーにもかかわらず、キャラが全員大騒ぎしているうえ、あまり説明もないので追いつくのにひと苦労。男たちのそれぞれの恋模様が一本の織を成すかと思いきや、かなり乱暴にぶん投げてラストを迎えてしまっている。
バーグマンは美人だし役者としても大好きだが、40歳を迎えた女性にお花を持って遊びまわらせる役を演じさせるのはさすがにどうかと思う。
ノワールがこの前に監督した『フレンチ・カンカン』がかなり傑作だっただけに、この急降下ぶりには当惑してしまう。