しゅう

失はれた地平線のしゅうのレビュー・感想・評価

失はれた地平線(1937年製作の映画)
3.3
キャプラ作品としてはやや物足りない印象。
出だしの脱出シーンからシャングリラに辿り着くまでのファンタスティックな描写は面白く観れるが、中盤の理想郷の描き方はあまり感心できない。
ハリウッド的に甘いと言うか観念的なのが良くないし、雰囲気も胡散臭いのは有難くない。
弟への愛情に絆され、シャングリラを去るシーンでは弟の恋人が老婆になったりするのも印象に残るし、この時代にしては山岳での撮影も優れている。
所々でフィルムの欠落があり、スチール写真と音声で繋いでいるのはアメリカ映画には珍しい。

キャプラ作品はいつもアメリカの理想像を描いているが、今回は求めても得られない理想の虚しさを描いているように思える。
しゅう

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