※ネタバレあります。未見の方は注意！
青春映画の一種には違いないのでしょうが、それだけでは片付かない奥行きを持った良作。
本作といい「ぐるりのことと」といい、ごくさりげない日常を描きながらも、見ているうちに、実はとてつもなく大切なことに気づかせてくれるこういった作品は、本当にいつまでも大切にしたい気持ちになります。
私も世之介のように、例え自分が先に死んでしまっても肉親に「(死んでしまったのは悲しいけれど)それでもやっぱりあなたに会えてよかった」と言われる人間になりたいです。いや、それは贅沢かな。でも本作で綾野剛が演じたゲイの青年(世之介のむかしの友人）のように「世之介と会えた自分は会えてない自分より、なんか得している気がする。なぜかはよく分からんが（ニヤリ）」と思い出してもらえる人間って、実は結構、すごいやつなんじゃないだろうか？人生で二度と出会うことがなくとも、そうやって思い出してもらえる人間でありたいと、本作を見終わって、つくづく思ってしまった。
