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横道世之介のamuのネタバレレビュー・内容・結末

横道世之介(2013年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

もう!吉高ちゃんが!!!
めちゃくちゃに!かわいい!!!!!

かわいいすぎて、寝転がってぐるぐるまわっちゃうくらいにかわいい。


この作品は2017年にフィルマへのレビューを書いたのだけど、最近になって「さかなのこ」、「南極料理人」にどハマりしディスクを購入した際、この「横道世之介」もセットになっていたのをきっかけに再鑑賞した。初見時もすごく温かくて心に残っていたが、約7年ぶりに観ても、あ〜良い〜 と、改めて感じた。さらに加えてこの7年の間に自分の世界観に変化があって、その変化によって一層この作品を好きになった。

この7年の間に自分の世界観が少し変わった部分というのは具体的にいうと、フィルムカメラで写真を撮るようになったこと、それにより写真に対する尊さが当時より増したということ。そのためクライマックスシーンがさらに胸にグッとくる部分となった。そんなわけで、点数の評価を含めレビュー自体を加筆し再投稿することにした。初見時のレビューは、今回のレビューの最後に当時の文章をそのまま載せておく。


情に厚くてお人好しで、真っ直ぐでちょっとお調子者で。そんな愛すべき横道世之介というキャラクターが全ての人の心をほんのりとあたたかくさせてくれる。

いろんな性格や立場の人が世之介に関わっていくわけだけど、人や物事に対する感じ方が良い意味でとても普通である世之介の軸がブレないので、そのブレなさが時に面白く、時に沁みたりする。

上京してきた世之介の目に映る全てが新鮮だという視点が、世之介への擬似体験をさせてもらっているようで冒頭から楽しく、また80年代の新宿駅東口や下北沢駅界隈の様子は、自分は小さすぎて覚えていないにも関わらず、なんだか懐かしさを覚えタイムスリップしたかのようでノスタルジーも感じた。

沖田組の美術班は、時代や環境の設定に応じた小物など細部に渡ってセンスが本当に素晴らしいなと監督の他作品を観た今、改めて思う。そんな美術的な部分や、小物、スタイリングのことについて触れると、それはほぼ祥子ちゃんが国宝級にかわいい!!!!!という話になるわけで、頭の中が祥子である吉高ちゃんでいっぱいになっちゃったので好きな可愛すぎるシーンを以下箇条書きで。

・韻を踏んでらっしゃるのね
・ハンバーガー
・ホテルのプールでの水泳帽
・ビーチボールでぐるぐるしちゃうところ
・クリスマスの素敵なお帽子
・ケーキの包装紙への落書きのくだり
・雪にはしゃぐシーン
・学園祭のステージを見にきた時の笑顔
・骨折した病室での名前を呼ぶシーン
・去りゆくバスからの大好き
と、数え上げたらキリがないのだけど、特に可愛かったシーンは、気持ちを確かめた時にカーテンに隠れちゃうところ。あれ、宇宙一かわいかった。


フィルムカメラを始めたことでクライマックスシーンへの胸熱度が増したことは先にも述べましたが、ファーストロール(初めてのカメラで撮る1本目のフィルムのこと)を現像したら一番最初に私に見せて欲しいと言う祥子ちゃんと、それに応える世之介のこの上ない尊さにたまらず、めちゃくちゃに愛おしくて泣いた。

レンジファインダー式のカメラで走り去るワンコを撮るのはピントを合わせる余裕(時間)が無く全部ぶれていたこと、一枚目で露出を間違えたことに気づき、二枚目では適正露出でしっかり写っていた祥子ちゃんの露出違いの写真など、フィルムあるあるでもあるし、とても世之介らしくてむしろあのファーストロールこそが世之介の全てだった。

余談ですが、購入したディスクには特典として世之介が現像したファーストロールの写真を包んだあのケーキの包装紙が入っていて、フィジカルなものに対しても本当に愛で溢れた作品だと感激した。

また特典ディスクにはメイキングシーンの数々、監督、演者、スタッフさんのインタビュー映像など、凄く興味深く見入ったし、とにかく現場がめちゃくちゃにあたたかかった。そんな様子を観れて一層この作品を好きになる内容がたくさん詰まっていたし、吉高ちゃんファンにはたまらないカメラ外での様子がまたとんでもなくキュートで、彼女をもっともっと好きになっちゃいました。

そしてカメラの横で誰よりもツボっていてずっと楽しそうに撮影されている沖田監督は吉高ちゃんに匹敵する可愛らしさでした。演者の皆さんも口々に言っていたけれど、監督のやさしくて、あたたかくて、心がじんわりする世界観が心底大好きです。


...初見時レビュー…
2017.6.9

高良健吾さんはこういう時代の学生役が本当にハマるなー


東京で生まれ育った自分にとって、上京してくる人の気持ちに本質的な部分で感情移入することが出来ない。それがなんだか寂しいなと常々思っていて、学生時代、上京と同時に一人暮らしを始め、長期の休みになると帰省していく同級生たちを羨ましく思っていた。

私は吉高由理子さん演じるお嬢様のような家柄ではないけども、好きな人の帰省する場所に自分も行ってみたくて、学生時代彼の地元に何度か遊びに行かせてもらったことがある。結婚!?と思われて相手のご両親を驚かせてしまったかもしれなかったこと、地元のお友達たちを紹介してもらって皆で遊んだりしたことを甘酸っぱく思い出したりした。

今を生きる場所と、帰る場所がある。というのはとても素敵なことだと思う。


キャスティングも最高で、とにかく吉高ちゃんがすこぶる可愛かった。綾野剛さん、池松壮亮さんなど豪華俳優陣が脇を固め、生きるということを魅力的に演じていた。
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