このレビューはネタバレを含みます
キャストの顔ぶれからわかるように、登場するのはごく普通の人々。
地味な展開を、実力派が自然に巧みに演じる大人のドラマ。
「気まずい」シーンが多い。
写真館の元オーナーのシーンは気まずさだらけ。
長回しのバーベキューのシーン。沈黙の変な空気が流れないようになのか、誰か変なことを言い出さないか、言い出しても聞こえない風にするためか、溢れるように会話が流れていく様が印象的。
依存体質で過干渉、お喋りが止まらず、甲高い声で常にイラッとさせる主人公。パーティーに呼ぶなんて余計なことまで言い出して...💢
あの微妙な空気の連続からハートウォーミングなラストを迎えるまでの展開を、どう表現したらいいのだろう。纏っていた「秘密と嘘」が、さらさらと洗い流されていくような...
そうやって互いを慈しみ受け入れることができた一方で、2人の娘の父親像に関しては、新たな「秘密と嘘」が隠されていないだろうか。
元々脚本は存在せず、俳優たちと長期に渡るリハーサルを重ねて一緒に練り上げたということを知り、妙に納得できた。
今まで脇役で見てきたブレンダ・ブレシンが、主演としてその力量で魅せる作品。各賞の受賞も頷ける。
その顔つきや表情から、ブレンダ・ブレシンの本当の娘かも?と思えたほど、だんだん母娘が似て見えてきたのが不思議だった。