あっくん

秘密と嘘のあっくんのレビュー・感想・評価

秘密と嘘(1996年製作の映画)
4.9
いつかレビューしたかったお気に入り作品✨✨
143分の長編ながらも、確実に惹き込まれる素晴らしい作品🎶

🍷あらすじ
教養もなく、お節介な性格からか夫・友人すらいない陽気なシングルマザーのシンシア。
そんな母親シンシアに対する不満から毎回口喧嘩している私生児の娘ロクサンヌ。

少し離れた所でカメラマンとして裕福な生活を手に入れたが、どこかポッカリと穴が空いた様な悲しさを抱えた弟モーリスと不妊治療に励む浪費家の妻モニカ。

そして自分の出生を調べる黒人の里子ホーテンス。

それぞれにどこか暗い陰りを抱えた人々が秘密と嘘の真実と向き合った事で家族全体を揺るがす思わぬハプニングが待ち受けていた…。

🍷感想
何これ凄すぎ✨✨Σ(゚Д゚)
雰囲気的には地味ながらも、脚本無し、アドリブだけで演じている凄さに観ていてのめり込みました✨
沢山の賞を受賞、ノミネートしたのも頷けます🌟(*^^*)
(舞台監督マイク・リーならではの素晴らしい作品✨)

本作は秘密と嘘の他、嫉妬、憎悪、疑い、依存、罪悪感とさまざまな感情が渦巻く中で、親子や夫婦、姉弟と複雑に絡み合った糸の様な家族愛の形が描かれています。

“嘘”は色んな種類があります。
自分自身の保身の為の防衛的な嘘や悪い考え方をする攻撃的な嘘もあれば、相手の尊厳や人を傷つけたくない配慮的な嘘だってあります。
そして“秘密”を抱える事により、自分自身を偽っては、モヤッとしながらも生きづらくしていく…。
だからといって“秘密”を向き合うのは抵抗あって難しい事…。
嘘と秘密…とても厄介な物💦(-_-;)

緊張感が増し、嘘と秘密が爆発するラスト20分…。(・・;)
“秘密と嘘という嵐が降って、地固まる…。”

一人で抱えるより共有する事によって一つの新しい絆の形となり、再生したかのような新たな道へと進んでいく…。
複雑な家族と向き合った一つの切なくも温かな在り方ですね🎶🤔

🍷キャラクター
隠された過去、奥深い複雑な心理描写を抱える個性派なキャラクターをよくぞ演じられる凄さには圧巻かと思います💦Σ(゚Д゚)
シチュエーションとシーンを羅列した簡単なメモにより、俳優一人一人との長期リハーサルで自然の演技力を表現した為に、撮影が進む度に俳優さん達は内容の秘密を知っていったそうです。(例でいうと、シンシア演じたブレンダ・ブレッシンはホーテンスが黒人だと知らなかったそうです。)

143分の長編でしかも観ていると、10分以上の長いワンカットシーンばかり💦(・・;)
だからこそリアリティ溢れる本物の家族が観られた様にも感じましたね🎶🤔

その中で特に印象深いなのが…
シンシア・・依存型、深く物事を考えずに口走ってしまう本当に不器用で面倒臭い女性💦共感しづらいけど、色んな辛い経験をしたからなのかとも思ってしまう…。

弟モーリス・・自分自身もどこか暗い陰りがあるのに、癖のあるキャラクター達のまとめ役的存在が見事✨

ホーテンス・・出生の秘密をどんな事があっても、取り乱さずにクールに向き合う姿に勇気をもらえます…。

そんな家族の秘密と嘘に巻き込まれるのは母親との複雑な関係でもある娘のロクサンヌ、どこかピリピリしているけど秘密を抱える弟嫁のモニカ。
脇でモーリスの助手やロクサーヌの彼氏、少しだけどホーテンスの出生を調べたソーシャルワーカー等、癖がありながらどのキャラも印象的でした🎶

🍷キャスト
本作でアカデミー賞作品賞、監督賞等をノミネートした監督のマイク・リー(ヴェラ・ドレイク、家族の庭)

本作でアカデミー賞主演女優賞をノミネートしたシンシア役のブレンダ・ブレシン(ヒラリー・スワンクのライフ、プライドと偏見、つぐない、エセルとアーネスト、リバー・ランズ・スルー・イット)

弟モーリス役のティモシー・スポール(ハリー・ポッターシリーズ、ラストサムライ、英国王のスピーチ、輝ける人生、君を想い,バスに乗る、アップサイドダウン 重力の恋人)

モーリスの奥様モニカ役のフィリス・ローガン(ダウントン・アビーのエルシー・ヒューズ)

シンシアの娘ロクサーヌ役のクレア・ラッシュブルック

ロクサーヌの彼氏ポール役のリー・ロス(オン・ザ・ハイウェイ、Netflixのクリスマスキャッスル)

本作でアカデミー賞助演女優賞をノミネートしたホーテンス役のマリアンヌ・ジャン・バプティスト(without a trace/FBI失踪者を追えシリーズ、オール・ユー・ニード・イズ・キル、ザ・セル)

ソーシャルワーカー役のレスリー・マンヴィル(ミセスハリス,パリへ行く、マレフィセント、ファントム・スレッド)
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