ぽち

シシリーの黒い霧のぽちのレビュー・感想・評価

シシリーの黒い霧(1962年製作の映画)
1.5
観た後でシチリアの歴史やサルヴァトーレ・ジュリアーノの事などを調べて、やっとで今作のストーリーを掴む事が出来た。

当時の世界情勢や、特にジュリアーノのことを知らないと理解不能にちかい作品。おまけに時系列をいじって時間が戻ったりするし、登場人物の説明も少ないので余計わけが分からない。法廷での攻防も事実を元にしているので盛り上がらない。

せめてジュリアーノがどんな人物だったのかの描写が欲しかった。
それにしても、義賊と称されるがどう見てもただの犯罪者。
「彼の山賊団は7年間活動したが、その間だけで149人を殺害している。さらに殺人未遂事件は172件あった。」
いくら貧しい人に金品を与えたとしても、その手段が完全な犯罪。

貧しい人々に金品や食料を分け与えたことから英雄視されているのだが、さらに映画『シシリアン』で美化して描かれたことも要因の一つらしい。
どこぞの御国ではないが、映画を歴史的事実と思い込んでしまう人々が多い事に驚きを感じる。ちょっとは脳みそを使って欲しいものだ。

銀熊賞をとった名作らしいが、予備知識が必要な作品で、個人的ポリシー「映画はそれ単体で完結するもの」に反しているので低得点とさせていただく。

余談。
シシリーと言えば、あのチック・コリアの名曲「シシリー」でしょ。
ガッドのドラムは鳥肌物の名演奏。
名盤「フレンズ」はドラマー必聴のアルバムだ。
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