開明獣

シシリーの黒い霧の開明獣のレビュー・感想・評価

シシリーの黒い霧(1962年製作の映画)
4.0
村上春樹はシシリアを訪れた際にジョギングしてると野犬が多くて閉口したと述べている。

かつてはシチリア王国として繁栄したが、貴族の没落と共にマフィアが牛耳る島となったシシリア。本作の翌年にルキノ・ビスコンティが発表した名画「山猫」がその様子を描いている。

「ニューシネマ・パラダイス」もシチリアが舞台で、名匠ジュゼッペ・トルナトーレは「シチリア!シチリア!」でもシチリアを取り上げている。

エリオ・ヴィットリーニによる「シチリアでの会話」や、チェーザレ・パヴェーゼによる「故郷」「美しい夏」といった優れた小説家も輩出しているシチリア。そのシチリアの暗部をネオ・レアリズモ的に描いた本作は、イタリア映画好きなら欠かせない作品の一つだと思う。
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