オーウェン

シシリーの黒い霧のオーウェンのレビュー・感想・評価

シシリーの黒い霧(1962年製作の映画)
4.5
1950年7月5日。シシリー島で、サルバトーレ・ジュリアーノという30歳の男の射殺死体が発見された。

彼はなぜ殺されたのかというのを、過去にさかのぼって見せていくこの映画に、生前のジュリアーノは登場しない。

彼が関わった事件だけが再現されていく。
出だしから、グイグイと画面に惹きつけられた。

死者はマフィアの一員だった。警察とか憲兵とかにも関係があった。
そのせいか、事件の証人や容疑者が、次々と殺される。

そして、何も解明されないまま映画は終わるのだ----------。

メーデーのデモ隊に対する襲撃とか、左翼に対する弾圧などが掘り起こされて、セミ・ドキュメンタリー・タッチの画面の連続だ。

フランチェスコ・ロージ監督は、この後もマフィア追及の映画を撮り続けたが、それはイタリアでは命をかけた戦いに等しいのだ。

黒い霧は、決して去らないからだ。
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