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黄昏のYOU5521のレビュー・感想・評価

黄昏(1951年製作の映画)
4.1
『今宵、フィッツジェラルド劇場で』
というロバート・アルトマンの名作がある。
死を告げる天使の存在が独特で印象深かった。
今作でもレストラン名で
「フィッツジェラルド」が出てきて驚く。
繋がりを感じたがよくある名なのかも知れない。
たしか『華麗なるギャツビー』の作者も
同名だった気がする。
古典的名作はテンポが良く、安定の面白さ。
安心して観れる。
「メロドラマ」とは感傷的な恋愛劇のこと。
やっぱり普遍のものがある。
バイクの名車は70年代と80年代に出尽くした。
芸術はルネサンスでほぼ完成したと言われる。
メロドラマも多分この時代に
ほぼ型が完成したのではないだろうか。
家庭のある中年ダンディと若い田舎娘。
二人の間に立つ遊び人…登場人物だけでワクワクする。
破産、失業、生活苦、重婚、流産。
絶望的なことがこれでもかと並ぶ。
当初が華やかだっただけに尚更だ。
落ちぶれた男と笑顔を絶やさない健気な女性。
「椿姫」が繋がる。姫とは名ばかり娼婦の話。
本作とは男女が逆の構図になっている。
どちらも身を引く話。涙なしではいられない。
作中に古典的な作品を組み込む手法は
『ドライブ・マイ・カー』もそうだった。
作品に深みを与える。
「過去をひきずるな」「恋はすばらしい」
セリフは言葉ヅラよりずっと深い。
後世の雛形になる名作を観るのは有意義だ。
ヒロインは『慕情』のジェニファー・ジョーンズ。
コケティッシュ。
それにしてもW不倫(同棲)。
街中で腕組みはまずいだろう。
ラストのガス栓が暗喩になっていて
深みを感じた。
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