うにたべたい

世紀の怪物/タランチュラの襲撃のうにたべたいのレビュー・感想・評価

4.1
タイトル通り、巨大タランチュラが人を襲うモンスター映画。
1955年アメリカで作られた白黒映画です。
以前、放射能Xを見てからずっと気になっていたのですが、ようやく見る機会を持てました。

放射能Xのヒットにより色々作られた、1950年代の巨大昆虫特撮映画の一作です。
来るべき未来の食糧問題を解消するために生物の巨大化実験をしていた生物学者の実験によって巨大化したタランチュラが逃げ出してしまい、街で暴れまわるという内容です。
食糧問題解消のため生物の巨大化実験を、というのはわかるのですが、なぜタランチュラを巨大化させたのかは説明はなかったです。
食うつもりだったのか、食うにせよ、よりによってタランチュラをチョイスする意味がわからないです。
また、タランチュラだけでなく、なぜか人体実験を始める始末。いったいなぜ。
食糧問題解消のため生物を巨大化する薬を人体実験する必要性が感じられない上に、その薬が原因で被験者が死んでしまうという救えない内容となっています。

タランチュラやその他の巨大生物は、本物を使った合成映像となっています。
普通に動いているだけの巨大なクモさんはみていて脅威よりもかわいらしさを感じました。
また、脚本はあれですが、役者の演技でカバーができていて、普通におもしろい作品でした。
個人的には、放射能Xや黒い蠍よりも、本作が一番映画としておもしろかったです。
タランチュラも、人間に悪意を持って攻撃しているのではなく、怪獣というよりもただ巨大化してしまったクモとして描かれているので、下手に怪獣としてアレンジされていないのも良かったのではと思いました。

シナリオはシンプルで、ラストも特にひねりは無く終わります。
わかりやすくて中だるみもなく、古い特撮ですが最後まで楽しめる、良作です。