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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のefnのレビュー・感想・評価

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 渋谷駅に落下するギャオスを俳優込みのワンショットで組んでしまうあたりとか京都駅突入で内側に流れ込む破片(これも前田愛とフレームが一緒)とか、やっぱり特撮としての完成度は一級。イリスを包む細かい雨粒といったものもスケールに応じた表現になっていて、樋口の非凡さがわかる。カメラも編集も仕事してる。特撮とは思えない奥深さだってある。蛍雪次郎がビールを飲むショットの唐突なPOV、TV目線の中山忍、カメラ、画としてはまったく問題はない。
 ないのだけれど、やっぱり脚本が、俳優が宙に浮いている。何もセカイ系に話をもっていくために山咲千里が髪型を綾波に似せる必要はないし、手塚とおるがいつも以上に不気味である必要もない。シンゴジラの石原さとみは妙だったけれど、彼の扱いは正しかった。伊藤と金子が争った理由もなんとなくわかる。

 あと内容とは関係がないけれど4Kリマスターすごい。フィルムグレインとってるのに、色調も明度も変わってない。むしろ暗いフレームが暗いまま輪郭がはっきりしていてびっくりした。リメイクでも画面の曖昧さの代わりにボケ味をごっそりカットするとか、うんざりさせられることがけっこうあるけど(クライテリオンとか)これは想像以上だった。リマスター担当者の名前をクレジットするのもわかる。
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