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ガメラ3 邪神<イリス>覚醒のABBAッキオのレビュー・感想・評価

3.8
1999年金子修介監督、樋口真嗣特技監督。平成ガメラシリーズの第3作で最終作。大映を買収した徳間書店が映画化した平成ガメラ前2作が好評だったため、完結したはずのシリーズに急きょ続編を作ることになったらしい。このあたりは本作の宣伝で頒布された庵野秀明監督のドキュメンタリー『GAMERA1999』が「三分の一虚構」といいながら描いている。
 徳間はこの頃から経営が傾き始め、予算がない中で一挙挽回を図る悪い軌道に入っていた。製作現場もそれを反映し、人間ドラマパートと特撮パートの組み合わせが困難だったようだ。
 そうした事情もある程度知っていると、本作が全体として評価できる作品なのは奇跡的だし、関係者の努力を多とすべきだろう。前田愛にとっては代表作の一つだし、中山忍、藤谷文子、山咲千里らも好演。特撮も特にできたばかりの新京都駅ビルを派手に壊す場面や自衛隊の対応も含め、よくできている。ストーリーは今ひとつで、最後も完全終結でない形で終わるが、CG全盛前の昭和的特撮手法の怪獣映画の最終形態と言うべきだろう。
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