Jimmy

黒い肖像のJimmyのレビュー・感想・評価

黒い肖像(1960年製作の映画)
4.5
これまたサスペンス映画の傑作と出会えて嬉しい!
病気で寝たきりだが横暴な夫を、美人妻が愛人と共謀して殺す。愛人が医者なので完全犯罪かと思ったら、彼女あてに「殺人の成功、おめでとう!」という手紙が届く。この手紙を読んで慌てる妻と愛人だったが……というマイケル・ゴードン監督作品。カラー映画。

この若くて綺麗な妻を演じるのは、ラナ・ターナー。彼女は『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(テイ・ガーネット監督)で、愛人と共謀して愛していない夫を殺そうとする悪女のイメージが強烈だった。
本作は、『郵便配達は…』よりもだいぶ後年の作品だが、やはりシチュエーションが似ている。また、本作はカラー映画なので、とても綺麗なラナ・ターナーが見られる。

サンフランシスコの海運会社の社長キャボットは病床で寝たきりだが、美人の後妻シーラ(ラナ・ターナー)や弁護士メイソン(リチャード・ベースハート)などに横暴の限り。
この社長の主治医がデヴィッド(アンソニー・クイン)であり、妻シーラの愛人。
……個人的には、アンソニー・クインが美人妻ラナ・ターナーの愛人男というのは似合わない気がした(笑)

若き妻は横暴夫の監視などに息詰まる思いを続けており、「いなくなってくれないか…」と願う。それを聞いた愛人デヴィッドは、彼に続けている注射に気泡を入れて注射すれば殺せる、と話して実行する。(この実行場面は描かれず、いきなり葬式になる。)
そして、愛人男が罪の呵責に悩んでいると、若き妻へ「殺人の成功、おめでとう!」という手紙が届き、二人は「誰が出した手紙だろう?」と混乱する。怪しい人間が多数いるのだ。そして、二人は「弁護士メイソンに違いない」と判断して、彼を射殺する。(ただ、射殺の一度目は失敗する甘い計画…笑)
そして、愛人男がメイソンの死体と一緒にメイソンの車を運転して、若き妻は愛人男の車を運転し、死体を車ごと海に転落させる計画を立てるのだが、若き妻はなんと運転ができない!(笑)
時間が無い中で愛人男から習った運転で、若き妻は運転するが、運転はフーラフラというスリリングな場面が続く。更に、死体を助手席に座らせている愛人男の車の隣にはパトカーが止まったりするので、これまたハラハラ…。
そして、とうとう車ごと死体を崖から海に転落させるのだが、二人の元に「二度目の殺人成功、おめでとう!」の手紙が届く。メイソン殺しは無意味だったので、またまた慌てる二人だが………と続く。
(この先、長いので割愛)

ここまで見せ場が次々と続くサスペンス映画は、なかなか無い。
Jimmy

Jimmy