矢吹健を称える会

黒い肖像の矢吹健を称える会のレビュー・感想・評価

黒い肖像(1960年製作の映画)
2.6
 ダグラス・サークの傑作(『天が許し給う全て』など)と、監督以外はかなり似通った座組の作品で、画面は豪華なのだが、だいぶ気の抜けた内容である。終盤の展開がさすがに無理があるとか、サンドラ・ディー(Bobby Darinの奥方)の彼氏が全く活きていないとか、あまり上等な作劇とは思えないが、一番個人的に気になったのは、肝心の最初の殺人シーンが省略されるところ。あまり省略の効果がない気がする。
 第二の殺人のあとに死体を捨てに行くシーンで、踏切に足止めされている間にパトカーが近寄るという描写があるのだが、ここもなんだか視線の描写が変で、位置関係がよくわからない。
 ギャンブル狂の運転手が突然借金のことを告白しだすシーンの投げやり感がよかった。