こぅ

黒い肖像のこぅのレビュー・感想・評価

黒い肖像(1960年製作の映画)
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10/'24

'23 7/31ジャケ写掲載していただきました。

マイケル・ゴードン監督による、
フィルム・ノワールとは呼べない【ラヴ・サスペンス】。


サンフランシスコの海運業界の大物マシュー・キャボット(ロイド・ノーラン)は嫉妬深くわがままな暴君。
病床につききりの身にもかかわらず、事業の一切を他に譲るつもりはない。
美しい後妻のシーラ(ラナ・ターナー)は、いつしか夫の主治医デヴィッド・リヴェラ(アンソニー・クイン)と道ならぬ関係に陥り、一緒になる日を夢見ていた…。


・スタイリッシュなOPタイトル
キャストの写真が順にバー状に並べられ、タイトル表示〜やがて冒頭の会社ビルの縦窓に重なる、今観ても充分スタイリッシュなタイトルバックデザインだ。


・簡潔完璧な冒頭/導入部
主要キャスト紹介とジャンル、主役とこの先の展開/プロットが見通せる優等生な脚本と演出。
実にシンプルだが、アタマから複雑/散漫よりも観る者を集中/没入させる。


・漏れなく活かしたキャラ/脚本/演出
夫を共謀殺人した後にブラックメールが届く。
動揺する2人。
警察関係が全く登場/機能せず、殺人犯がその恐喝犯人を探すという異色展開に突入してからが本題と言える。
社長側近だった重役のハワード・メイソン(リチャード・ベースハート)もシーラに好意を持っていた。←ここから三角関係に。
2人は 密会 にビクビクしながら恐喝犯人を予想し、2次殺人を計画/実行するのがスリリングな見どころ。
劇伴は、終始鳴っている為、仕留めた⁈銃声と同時に劇伴が 無/静 になる演出(2度)は効果バツグン。
然程珍しくない、容易に予想出来る展開を持たせるも、少しずつ外してくる辺りが面白味。
前妻の子供、ピーターとキャシー(サンドラ・ディー)、キャシーの恋人、ブレイク・リチャーズ(ジョン・サクソン)、シーラの運転手、コブ(レイ・ウィルソン)、全キャラを活かしている。

ラナとサンドラは、前年のダグラス監督作品、【悲しみは…】に続いて再共演。


・ブラックメールの真犯人は⁈/ラスト
動機が愚行で今一つ説得力には欠ける⤵︎
言い争いの最中、いる筈の人物は何処へ行ったのか⁈不自然。
シーラは決してファムファタでは無く、ただ純粋に、、そんな彼女の心情が良く描けている。
2人のすれ違いが招いた悲劇/悲恋。
終盤をスマートに纏めて欲しかったのと、
シチュエーション〜の結末も好みではなかった⤵︎が、
ストップモーションのラストショットとタイトル再表示は効果的。
カメラワークは、終始カット割少なく的確なアングルで捉えて良き。


・ヴァージニア・グレイ(43)
秘書のリー役で出演。今までの美イメージから老けていて気づかなかった⤵︎


ビンタレベル★★★★☆
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