らんらん

大日向村のらんらんのレビュー・感想・評価

大日向村(1940年製作の映画)
3.0
予備知識なく鑑賞、出演者についても馴染みのないメンバー、なんとなくタイトルにつられて見てみることに

【あらすじ】
現代劇です、前進座総出演な映画らしい
長野県の山奥に大日向村というのがありまして
その名前とは反対に夜の明けるの遅く日の没するに早く半日村と呼ばれる寒村が舞台となります

村民たちの暮らしは貧しく先細りでそんな現状で持ち込まれるのが満洲への移転計画です
行く者にも残る者にもメリットがあるとされる計画なのですが、それを実現するまでには様々な問題がありました

多くの貧しい村民たちは借金を抱えており村を離れたくても借金問題を解決しなければ身動き出来ない
さらには身内に病気の者などがいる者も移動に耐えられないので行きたくても行けない

そういった困難を乗り越えて希望の地へ旅立つまでの物語となります

【感想】
いわゆる国策映画ですね
見終わってから色々と調べたんですが、その後の歴史が辛い
でも当時の寒村の状況もまた厳しいんだよね、結局行くも地獄残るも地獄

ラストでね満洲に向かう一団が明るく希望に溢れている姿を見てると悲しくなっちゃう
生活苦から抜け出そうと希望を胸に旅立ったんだろうけど、、、

その満洲の土地は地元の人たちを追い出して奪った土地なんだって、もともと耕作地であったところに移住してたんだって
そんなもんだから現地の人からしたら何も知らずに入植して来た人も同じく敵で紛争が絶えなかったらしい

極め付けは終戦時の混乱による犠牲者やシベリア抑留の問題
かろうじて引き揚げることが出来た者もその後苦しい生活を余儀なくされたとか、、、映画本編では語られない未来が辛い、明るく希望に満ちて終わるだけに尚更辛い、現実世界の残酷さが辛い
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