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ヴァージン・スーサイズのhoshのレビュー・感想・評価

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
4.2
リズボン家の5人の美しい姉妹。彼女たちが自殺するまでの過程を近所の男子グループの目線を通して描く。青春映画。

久しぶりに映画を観てゾクゾクした。パステルカラーで美しい色彩ではあるが、思春期特有の性欲と閉塞感、グチャグチャ感が見事に表現されていてそのギャップに気分を持っていかれる。とにかく姉妹たちの撮り方が美しくてエロいんだよね。家に抑圧された彼女達の色気と男子グループのムラムラ感が全編にわたって倒錯感と緊張感をもたらしていて、マジで思春期地獄。

この映画、男目線なのがミソだと思う。美しい姉妹たちを見る視線はあくまで性的で無邪気。車で見栄をはったり、ガキだし。要は自分たちの偶像の姉妹たちにドキドキしてるだけで彼女達のほんとうの気持ちや実像は分からない。

一方の彼女たちは言語化できない衝動や閉塞感、感情に苛まれている。言うまでもなく男子たちより人間的で大人。男は幻想しか見られない、女は遠くを見ている。それが思春期の時点で示されるエグさ。常に見られ続ける女性たち。

自分はアイドルファンもやっているので、この異性を幻想化して知った気になっている語り口は見覚えがあるので耳が痛くて仕方なかった。これを女性監督が撮っているのも凄い。かなり男性目線のエロチズムがある。

車での扇情的なキスや電話の場面など最高の選曲とシチュエーションがたっぷりで青春映画としてのエモーションも抜群。記憶に残る場面も多い。二度見ろと言われたらキツイけど…
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