かな

ヴァージン・スーサイズのかなのレビュー・感想・評価

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)
4.0
【10代の女の子にこそみてほしい!ソフィア・コッポラの「ゆめかわいい」世界観のなかで、思春期のやるせなさや渇望、絶望感を描く"裏"青春ストーリー】
「先生にはわからないよ。だって13歳の女の子じゃないもん」
序盤にあるこのセリフが印象深いです。姉妹の死んだ理由ははっきりとは描かれていないけれど、このセリフのとおりなのでしょう。原因は彼女たちにしかわからない。
抑圧された家庭にいれば、自由を求める思春期の魂は干からびてしまう。そして悪い方向に爆発する。私自身もリスボン家ほどではないが抑圧された家庭で育ってきたからなんとなくわかるような気がします。ラックスが屋根に男を連れこんでいたのは、反抗心と今までの抑圧の現れ。初めからトリップとの関係を認められていたら?少女たちの運命はまた変わったのではないでしょうか……。

この映画の舞台は1970年代のアメリカ。その時代ならではのかっこいいアメ車やロックスター、そしてこの監督得意の「ゆめかわいい」世界観、家具や姉妹の衣装のかわいさにも注目です。また電話でレコードを流し合うシーンのいじらしさ、可愛らしさは後半で1番良いシーンに感じました。それぞれのかける曲の歌詞にも注目してみてください。
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