南宮龍八

極道修行/決着(おとしまえ)の南宮龍八のレビュー・感想・評価

4.0
1996年の年末に韓国で公開され大ヒットしたオール日本ロケ作品。後に韓国では「ヤクザ修行2」と「ヤクザ修行3」の続編2本が作られた(但し、ストーリーの繋がりはない)韓国から日本に逃亡してくるヤクザを演じたパク・チュンフンはコメディを得意とする俳優だが、この作品では寡黙なヒットマンを好演。パク・チュンフンの舎弟役を演じるパク・サンミンは「将軍の息子」(1990)で演じたタフなヒーローとはうって変わり、ヘタレな三流ヤクザを見事に演じている。韓国からはチョ・ウンスクや名傍役のミョン・ゲナム、カン・ソンジン、日本からは哀川翔や大杉漣、白竜などが共演。はっきり言って日本のヤクザ映画を観慣れているとこの映画はとても地味に映る。と言うのも、この映画にはそれほど派手なアクションも無ければ男と男がぶつかりあう熱い人間ドラマもないからなのだ。全体を通してドライな空気が漂う韓国人のヤクザ世界観なのである。中盤からパク・サンミン中心にシフトしていくストーリー展開や、パク・チュンフンと大杉漣の確執が残ったままのエンディングなど少々不満が残る。決して面白く無いとは言わないが、もう少し主役2人のぶつかり合いや派手なアクション場面があれば当時の日本でもヒットしたのではないだろうか。

08/09/09
南宮龍八

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