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リメンバー・ミーのtorakoaのネタバレレビュー・内容・結末

リメンバー・ミー(2010年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

こんな天気のいい晴れた日だから思い留まる人もいれば、こんなに気持ちよく晴れた日だから死のうと思う人もいるんだよな。と思った場面があってのラストだったので、そう感じさせる場面だったんだなと思い、割とスッと入った。わからないけど、わかる気もする。後味はよくない。

私は事故と解釈してないので間違った感想になってると思う。

家族や友人達の心にどれだけ重いものを背負わせるか、若さゆえに思い至らないのかもしれない。亡き兄への愛と憧憬と理解者でありたい思いが同化への欲求となり、愛別離苦から解放されたい欲求とともに撚り上げられたのだろう。その衝動に任せるのは身勝手だとも思う。
それが描きたかったことなら、どれだけ罪深いことか若者が考えることに繋がったらいいね。とは思うが、近い欲求を抱いている状態の人が観るのはまずいと思う。

彼はアリとキリギリスで言ったらキリギリスなんだよなー。自分の今の気持ちや気分が重要で刹那的。それが若さ、父親と相容れない部分で、独り善がりにも思える正義感から妹を支えようとし、父に愛情がない訳ではなかったことに気づき、自分の役目は終えた、と思うことにしたんだろう、と私は思った。理由探ししてるようなとこがあったのではないか。気持ちは何となく理解できる。

兄の死は家族に繋がりをもたらした、といったような台詞に反発を抱いたはずだが、皮肉にもそうなる。確かに誰かが口にしたら反発したくなるけど、そう思おうとでもするしかないだけなことも多分わかってるだろう。
主人公は兄を赦した、彼のことも誰かがいずれ赦す、てことかもしれないけど私は近しい人だったら一生赦せないかもしれない。もっと話してほしかったと思い、話そうと思ってもらえなかった自分の不徳も責め続けるだろう。

喪失感を抱えた人達が出逢う話だが、主人公だけフォーカスされてる感じがちょっと残念。

辛い過去に蓋をして生きるか、乗り越えようとしてみるか。どちらが正しいということはないけど選択はできる。自信には周りの愛情が不可欠である。愛情は言葉だけでも行動だけでも伝わらない。ましてや思うだけでは何も伝わらない。というのも描かれていたと思う。

クリス・クーパー出演作ゆえ鑑賞。その言動や感情に至る機微を表現し、かつ前もって何が起こるか知った上で動こうとしてないように見えるのが彼の素晴らしいとこだなーと改めて思った。役者にとって当たり前のことのようで、すべからくそうとは言えないように思うので。
娘と昼食作ってる途中で玄関先に出て行くとこ、殺しに行きそうな顔になってたの面白かった。意外とエプロン似合う。
妹の子役、どことなくほんのりハーレイ・ジョエル・オスメント似。

吹替なし、英語字幕なし。配信に吹替版ある。円盤のいいところは気になった時に即音声や字幕を切り替えて観られることだと思ってるので、これだと利点ほぼないぞ。DVDだと配信のがキレイだろうし。出す時点でもっとやる気出してー。
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