のっぴきならず屈折した家族と恋人の関係。もどかしいながらようやくほぐれて行き大団円、それだけでも充分いい映画だったと思います。
でもそれを例の事件が非情にもぶった斬る。やるせない不条理が後味を悪くします。せっかく。ようやく訪れた幸せ。本当にやるせない。映画としてあの結末を許せない人も多いと思います。あのカタルシスはなんだったのか。そんなつくりの映画じゃなかったじゃないか。観客を欺いてる。でもそこがこの映画を深く、重く、充実したものにしていると思いました。事件のむごさを際立たせているのです。凄い構造の映画です。傑作です。
