よしまる

電撃脱走・地獄のターゲットのよしまるのレビュー・感想・評価

3.7

電撃脱走、っていうから難攻不落の要塞や絶海孤島の監獄を舞台に繰り広げられるプリズンブレイクものかと思いきやまったくそうではなくて、まさに電撃!そこのところはサクサクっと消化されていたw

それよりもなによりも脱獄してまでぶっ殺したい相手が自分の嫁、しかも理由が収監中に他の男と不倫したからっていうのがなんともトホホなわけで、だいいち不倫されたら自分にも非がないかと考えても良さそうなものだがそんなことは一切ない。むしろそこまで激おこぷんぷんのみで突っ走れるのは見ていて清々しくなってくる。
そもそも自分が服役中のろくでなしというのもすっかり棚の上だ。ブラボー!

このまるでピュアな復讐鬼(笑)を演じるのが、マキシマス=ラッセルクロウを鍛えたプロキシモ=オリバーリード。そのグラディエーター撮影中にロケ先で羽目を外しすぎて心臓マヒで死ぬという、まるで映画のキャラそのまんまの死に様、とwikiに書いてあるのを読んで、なるほどこのキャラならなりかねない!合掌。

そしてバディを組むのが同じイングランド出身の俳優、イアンマクシェーン。荒々しい主人公と好対照な役柄で魅力的なのだが、ジョン・ウィックのコンチネンタル代表、ウィンストンだと知ってビックリ!これまた良い歳の取り方をしたものだ。

ヒロインはボンドガールなのだけれどそれはどうでも良くて(いいんかいw)、クレジットで目に飛び込んだのが編集のジョングレン。80年代の007をすべて手掛けた監督だ。そうか、洗濯物をかいくぐる白バイのシーン、あの妙なテンションの上がり方は、そうか!
鏡を多用したカメラも面白いが、言われてみればかなり大胆で妙なカットが多い。ラストのカーアクションも低予算なのに手に汗握る!

というわけでイギリスの英知を結集したハードボイルドアクション巨編(それは言い過ぎ)、B級好きにはたまらないネタの宝庫として記憶に留めるべき逸品。得点低くても面白い映画はあるのだ❗️