ギズモX

007/トゥモロー・ネバー・ダイのギズモXのレビュー・感想・評価

4.0
【007が冷戦後に対決したのは対立煽りの情報操作王】
「"戦争"ほど、良く売れるニュースはない」

五代目ジェームズボンド、ピアースブロスナン主演の007。
僕が六番目に好きな007。
ボンドカー遠隔操縦シーンとサイゴンでのチェイスがお気に入り。

イギリスと中国による戦争を誘発させたメディア王の陰謀を007が阻止するストーリー。
デジタル情報社会化を示唆するオープニングが印象的な90年代の007を代表する作品だ。

今作で一番特徴的なのはヴィランであるルパートマードックやスティーブジョブスを彷彿させるメディア王の存在とその行動。
彼は新聞社の『トゥモロー』を率いて世界中の情報を支配しようと企て、己の利益のためだけにわざと両方の国を攻撃してデマをばら撒き、情報操作して国同士の対立を激化させた。

ネットが普及してまとめブログやSNS、動画サイトが一般的となり、デマや陰謀論、ヘイトクライムが問題視されている今となっては、彼がしたことは別のものにへと姿形を変えて重なってくる。

この映画は演出は馬鹿げているけど、警告しているものは007の中で最も重大だと思う。
特に今の時代だと最大級ではないだろうか。

007の中で一番リメイクして欲しい作品なら何?
って言われたら真っ先にこれっ!って言います!

【マスメディアの基本ルールだよ】
【"大衆の期待に応えること!"】
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