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ケンタッキー魂の一人旅のレビュー・感想・評価

ケンタッキー魂(1949年製作の映画)
4.0
TSUTAYA発掘良品よりレンタル。
ジョージ・ワグナー監督作。

ジョン・ウェインが主演を務めた西部劇で、アメリカに移住したフランス移民と地元有力者一派の争いに巻き込まれてゆく兵士の勇姿を描いています。ヒロイン役は、チェコ出身のフィギュアスケーターで二次大戦勃発を機にアメリカに移住し女優として活動したヴェラ・ラルストン。

19世紀前半、ナポレオン失脚後アメリカ政府よりアラバマ準州の4群区を与えられ当地に移住してきたフランス移民が、不当なやり方で彼らの土地を掠奪しようと企む地元の有力者の陰謀に直面するという展開で、ケンタッキー連隊に所属するジョン・ウェイン扮する主人公が危機に瀕したフランス移民を救うべく立ち上がります。

フランス式のしきたりや文化を保ちながら新天地アメリカで独自のコミュニティーを形成しているフランス移民vs何も知らない新参者のフランス移民を騙して土地を奪い取ろうとする欲深い地元有力者の対立構図を軸に、移民の令嬢と恋仲になったアメリカ人の主人公が移民サイドに加勢して悪漢に立ち向かうというお話で、移民と地元有力者の対立と並行して主人公と移民令嬢の許されない恋の行方も描かれていきます。

アメリカ南部の広大な大地でナポレオン兵士&ケンタッキー連隊が躍動するクライマックスの総力戦は圧巻のスペクタクルを実現していますし、アメリカが舞台の西部劇なのにナポレオン戦争時代の欧州の薫りがどことなく立ち込めた戦場の風景も変わり種の西部活劇となっています。

蛇足)
19世紀前半のアメリカにおけるフランス移民の独自の生活様式が興味津々に描かれていますが、全員が仏語ではなく流暢な英語を話しているのが玉に瑕だと思います。
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