ジョニー・デップの代表作のひとつでありながら、この映画の中にジョニーを見つけることは出来ない。
いるのはエドワードです。
メイクの効果を差し引いてもそう言える。俳優ジョニー・デップのなせる業です。
映画史上最も美しい雪が降ります。エドワードが降らせます。
・・・・
エドワードの格好は真っ黒です。
存在の異質さがカラフルな家並みの中で際立つ。
障害者のメタファーでもある彼が自分の特技を見付けて輝いていく、その笑顔、
そんな彼をご近所さんが快く受け入れてくれる様子を、微笑ましく観ていられるのもつかの間、
平穏でささやかな幸せを崩していくのは、やっぱり色ボケとか、嫉妬や面子に狂ったり噂に振り回されるあほうな人間どもなんだな。
現実でもそうだ、純粋無垢な心は煩悩や欲望に淘汰されてしまう。
ファンタジーな世界の中でさえ、そんな流れは抑えられないんだけど。
エドワードが不老不死という哀しい宿命を抱えていることと、物語を飛び越えて現実世界でもこの作品が映画史に残る名作になったことで、毎年町を真っ白に染める雪は、彼が生きている証として、僕らの心にも降り注ぐわけです。
物悲しいメインBGMでどうしても泣けてしまう。
・・・
「hold me」
「…I can't」
この場面だけはどうしても、字幕や吹き替えで
抱いて。…できない。
じゃあ響かないんだよなー
原語で洋画を観れる人うらやましい