えるどら

シザーハンズのえるどらのレビュー・感想・評価

シザーハンズ(1990年製作の映画)
3.7
なんと美しく悲しい愛の物語

「ティム・バートンかぁ、スウィーニー・トッドと雰囲気似てて被るよなぁ」と思ってたら全然違うラブストーリーだった!!

ティム・バートン監督は印象的なシーンを撮るのが上手いなあ。「天使の氷像を作るエドワードと舞う雪の下で踊るキム」、「上手く抱けずに体を寄せ合う2人」などなど『シザーハンズ』といえば!で思い出せるシーンが頭に残る。

パステルカラーを基調としたカラフルな町に、モノクロのエドワードが映えるとともに、彼が異質であると人目でわかる作りも良い。パステルカラーのセンスも抜群。しかもその町並みに奇抜なオブジェが立ち並ぶんだからもう「シザーハンズの世界」よね。僕達はあの世界に魅入られた。

導入とオチも綺麗で、特に最後に雪が降る理由を語るシーンは本当に美しい。こういうの好きな人はこの映画のことを忘れられなくなるんじゃないかな。

田舎の人間関係や集団心理、差別が生まれる過程を見事に描いている。人間の本質に迫る部分だからこそ、根強い人気があるんだろうな。

エドワードには身体障害者・知的障害者・自閉症…etcといった社会的マイノリティな立場の役割が与えられてるのかな?それともあえてエドワードに共感させにくくすることで視点を市民側に付けさせてるのかな?もしかするとキム目線で物語を捉えられるぶん、この映画は女性の方が楽しめるのかも。

ラブストーリーが得意じゃないので、個人的にはそんなにハマらなかったけど、ビターエンドは大好きだし、映画としてとてもよく出来てた!!
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