ったあぁ

シザーハンズのったあぁのレビュー・感想・評価

シザーハンズ(1990年製作の映画)
4.7
大学生のとき、映画を観ながら映画マニアの教授の小話を聴く、というなんとも素晴らしい授業でこの作品を観ました。
その授業ではもう一本、アバターも見たんやけど、ウィノナライダーとシガニーウィーバーがそれぞれの映画に出てるもんやから、教授がその2人が出てた映画エイリアンの話ばっかりするんよね。結局それしか印象に残らなかったっていう(笑)。

改めてUULAにて。

ハサミの手を持つ主人公エドワード。最初は物珍しさから一躍人気者になるんやけど、ちょっとしたボタンのかけ違いで近所から忌み嫌われる存在に、というお話。

この作品を観て、僕は今の社会を思い浮かべました。

たとえ人気者でもみんなから好かれていても、多くの人はもてはやすだけもてはやして、持ち上げるだけ持ち上げて、利用するだけ利用して。でもほんの少し間違いを犯しただけで、今度は手のひらを返したように一斉に袋叩き。それからはやることなすこと、悪い方に悪い方にこじつけようとする。身に覚えのないことでも。ただの口コミで、又聞きの情報だけで。

エドワードが盗みをしたのも人を傷つけてしまったのも、ただ人を愛していただけ。
近所の人たちがエドワードを忌み嫌って追い出そうとしたのも、ただ自分たちの平和を守ろうとしただけ。
ペグがエドワードを城から連れ帰ってきたのも、ただ彼を可哀想に思っただけ。

誰も悪くない。どこにも悪いものはないのに、一部の負の感情に身を任せる人間から、悲しみは生まれるんやなぁ。

ただ特定の人を愛する個人よりも、共通の敵を持つ集団の方が得をする。こんな世界、実際にあったら嫌やなぁ。
あぁ、それが今の社会か…
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