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絶唱のaronのレビュー・感想・評価

絶唱(1975年製作の映画)
4.5
評論家の間では、「手抜き」とか「アイドルを使った金儲け」とか、
あまり評判が良くなかったこの1975年版。
3度映画化されているなかで、僕はこれが一番いい出来と思う。
確かに監督が同じだからか、1966年版と1975年版はセリフや
カメラワークがほとんど同じで、そういう意味で手抜きと
感じられるのかもしれないが、それは1966年版の完成度が高かった
ゆえにだと思う。
そしてこの1975年版は、西河監督が1966年版よりもっと
より良い作品に仕上げようと努力した作品だと思う。
結果、より完成度が高くなっている。
たとえば、セリフの若干の違い、本作は順吉が小雪を好きな理由を
明確に話している。1966年版ではなぜ順吉が小雪を好きになったのか
不明瞭だった。

また、たとえば、冒頭にナレーションを入れた事。
このナレーションで一気に引き込まれてしまいます。
ナレーションの後に主題歌が始まりますが、
このナレーションのインパクトが強すぎて、
「早く本編を観たい」「いったいどんなストーリーなんだ」と
思いが頭を駆け巡り、はっきり言って主題歌は上の空。

そして、何と言っても配役の人選。
順吉の父親役や「仲間」など、圧倒的にこちらの方が合ってる。

残念なのは主題歌だけ。
主題歌は1966年版の舟木一夫が歌う「絶唱」が素晴らしい。
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