Automne

東京上空いらっしゃいませのAutomneのレビュー・感想・評価

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)
4.0
ストーリーラインはファンタジードラマのような感じがする。しかし随所随所で相米監督のバチバチのカットが炸裂する。

ある種の少女の神格化、キャンペーンガールからの都落ち、それで普通の幸せを知っていくような物語。マックじゃなくてデイリークイーンでバイトってのが時代感じる。宮崎駿の『千と千尋の神隠し』でも言われてたような気がするけど、"少女の労働"に対して巨匠たちが何か価値を見出しているように思うのは気のせいでしょうか。

リアリズムには欠けるが哀愁漂うセンチメンタリズムがあるような映画でした。
想い出に浸ったり忘れられない出来事があるのも良いけれど、勢いで会社やめてどうすんの?とか、そこ隠れても見つかるでしょ、とかいろいろ気になるところはある。
彼女が消えてから、そういうものに折り合いをつけてはじめて主人公の彼は人間としてはじまるのだけれど、ある種それをセンチな感じに済ませて描こうとしなかったのは映画というよりも漫画アニメ的な気がした。

江戸城の堀沿いに屋台船で花火見るシーンと、ジャズバーで『帰れない2人』をセッションするシーンが好き。
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