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東京上空いらっしゃいませのBUSSANのレビュー・感想・評価

東京上空いらっしゃいませ(1990年製作の映画)
4.4
【脆く切なくも、清々しい良作】


ちょっと内容と関係ないけど、見れるまでの道のりが長かったので書かしてもらいます。

フィルマークス始めた6年前から気になっててクリップしてたんですが、近所のTSUTAYAにないし、当時はまだ配信サービスにも加入してなかったし、仕方なくDVD買おうかと思ってAmazonで調べると…


中古で7万!!!!??


いや、アホちゃいますかと!
1ヶ月毎日映画館で見てもお釣りでますやん!
毎日ポップコーン付けれますやん!!

CSとかではたまにやってたみたいですが、加入してもすぐ見れる保証はないし…最近は存在自体忘れかけてしまってたんですが、今年の4月に北千住のシネマブルースタジオで上映予定であることを知り、東京まで見に行こかなと計画していた所、なんとU-NEXTで配信!!!

感謝感激雨霰ですわ!!
ずっと配信しといてくれー!!


例によって、あらすじは読まずに見たのですが、僕はタイトルだけで、牧瀬里穂がキャビンアテンダント役やと勝手に思ってたんですが、見事に全然ちゃうかった(笑)

けれども、なんとなく予想していた映画が持つ雰囲気は合致していたし、むしろ期待以上に良かった。1990年公開ということで、僕と同い年なんで余計に好きになってしまうわな。

あらすじを知りたい人は他で見てくださいね。

牧瀬里穂のデビュー作ということで、瑞々しい彼女の姿が見れます。わんぱくな牧瀬里穂がめちゃくちゃ愛くるしい。仕草がいちいち可愛い。

作中、テーマ曲である井上陽水の『帰れない二人』が何度も流れるんですが、これが絶妙に映画にマッチしていて最高。

そんでもって、牧瀬里穂と鶴瓶のキャラが濃いから目が行きがちやけども、一番ええダシを出してるのはMr.ミキプルーンこと、中井貴一。トロンボーンの演奏シーン最高やね。

サラリーマンとしての苦悩に葛藤する姿は身に染みる。

とにかく長回しが多い本作で、ハンバーガーショップのシーンがよく取り上げられるけども、僕の最も印象深いシーンは、牧瀬里穂が一人、公園でグローブジャングル(回転する球体のジャングルジム)を回すシーン。←名前知らんかったからわざわざ調べた(笑)

かつては近所の公園でもよく見かけたけども最近はめっきり無くなってしまいましたね。

この遊具は本来、複数人で遊ぶから楽しんもんですよね、回す子と乗る子がいて成立する遊具にたった一人で虚しく興じるその様は彼女の心情を見事に表した名シーンですわ。

とにかく儚く切なく、それでいてコミカルで、どこか清々しい本作を多くの人に見てほしいです。
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