まーしー

ワイルド・ワイルド・ウエストのまーしーのレビュー・感想・評価

2.0
ウエスタン、SF、コメディー、アドベンチャーなど様々な要素が詰まった本作。ウィル・スミスとケヴィン・クラインのバディ・ムービーでもある。

時は1869年のアメリカ。次々と科学者を誘拐した犯人から脅迫状を受け取った大統領が、黒幕を捜すよう二人の男に命令を出すところから物語は始まる。

タイプの異なる、いわゆる凸凹コンビが犯人を追うのはバディ・ムービーの定番。本作では、すぐ行動に移すウィル・スミスと知的な発明家ケヴィン・クラインがそのコンビ。両者ともクスリと笑わせてくれた。
個人的なお気に入りは、ケヴィン・クラインの女装をウィル・スミスが咎める列車内のシーン。女性の作り物の胸を真顔で触り、柔らかい、硬いという掛け合いは最高だった。
また、若かりし頃のケネス・ブラナーも下半身のない悪役で登場。当初は気づかなかったが、よくよく見るとポワロの面影があった。

しかし、この映画、全体的にはあまり楽しめなかった。理由は色々な要素を取り入れ過ぎたからだと思う。SFにしては物足りないし、冒険映画としても不十分だと感じた。時折挿入されるロマンスも、あまり活かされている印象がない。
ウィル・スミスのバディ・ムービーと言えば『バッドボーイズ』や『メン・イン・ブラック』がある。これらの作品はアクションやSFに振り切っており、そこに彼ならではのコミカルな掛け合いやスマートなアクションが加わって楽しめる。それに対し、本作は全てが中途半端に見えた。

個人的にはウィル・スミスの映画に大ハズレがなかっただけに、本作は残念な作品となった。ラジー賞を受賞したのも納得。