佐藤克巳

悲しき口笛の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

悲しき口笛(1949年製作の映画)
5.0
稀代の歌手美空ひばりが全国的人気を勝ち得て、戦後アイドル第一号を生み出した家城巳代治監督の記念すべきミュージカル映画の傑作。兄原保美が、孤児がたむろする横浜桜木町を妹光子美空ひばりを探すが見つからず、ビアホールでは無銭飲食した所を救った女給津島恵子、また代金を支払って雇い上げた悪徳商人徳大寺伸の配下に収まる。光子は、津島とその父バイオリン弾き菅井一郎に引き取られ港の掘っ立て小屋に居着く。菅井が原の運転トラックに跳ねれ医療費捻出に困ると、日雇労働者大坂志郎等に歌で日銭を稼ぐ。一方津島は、徳大寺の麻薬密売の加担を拒否し監禁されるが原に救われた。盲目の菅井は、火災を起こし光子と路頭に迷い、日銭稼ぎにバイオリンを弾くが騒々しい。そこで光子がダンスホールに足を踏み入れると、自然にジャズにスイング熱唱すると全観客拍手喝采。一躍光子は、天才歌手誕生でシルクハット姿で「悲しき口笛」を披露。そこで作曲者兄と再会。なお、私の母も名は光子で同世代、再会した気分に慕った。
佐藤克巳

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