アレンさん

関東やくざ者のアレンさんのレビュー・感想・評価

関東やくざ者(1965年製作の映画)
4.0
鶴田浩二の任侠映画のなかでもかなり好き。
深作欣二作品のような悲壮感やヤクザ者のどうしようもなさはあまり無く、言うならば清水の次郎長な侠客モノに近い。明るくユーモアもありながら、今となっては想像するしかないまだ陽気さのある戦前大正の風景が視覚的にも楽しい。
そして毎度お馴染み鶴田浩二の敵役・丹波哲郎もひとりハイカラな服装と佇まいが画面によく映える。
ラスト、関東桜組にカチコミして独りだけ生き残ってとぼとぼと立ち去る鶴田浩二の背中は、少しジョン・フォードの『捜索者』のラストシーンも想起させる。傑作。