このレビューはネタバレを含みます
怪盗グルーシリーズ初視聴。全体的にハートフルで、お洒落な作品だった。誰も不幸にならないのが良かった。(月に残されたベクターが大変だが、踊ってたから良いのかな?笑)
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主人公グルーは渋いスキンヘッドのおじさん。怪しい雰囲気で意地悪。一方で、感情豊かで心にロマンを秘めている憎めないキャラクター。孤独で心を閉ざしていたけど、家族ができて心が変化する様が良かった。
ミニオンはいたずらっ子で可愛いかった。想像以上にたくさんいた。
このミニオンの何匹かが、ユニコーンを工夫して作ったシーンは健気で可愛くて、和んだ。
敵キャラ、ベクターはどう見てもオタク(ギーク)なんだけど、やたらに強い。これは面白いギャップ。
女の子たちのキャラは3人とも際立っていた。特にあのピンクの毛糸帽子の女の子が印象的。この子は悪戯っ子の少年みたいな目つきだった。他にも、長女は大人しいがしっかり者。三女は甘えん坊、と全員性格も見た目も違い個性があった。
でもこの子たち、3人揃うと力が増して、グルーがタジタジだったのが笑えた。
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月を盗む、というお洒落な設定が素敵。
ピラミッドを盗むなんて発想は持ったことが無くて新鮮。
どちらも現実にはあり得ない話だけど、程よくリアリティを感じる演出で見応えがあった。
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物を縮小させる銃は、『ミクロキッズ』という映画を彷彿とさせて、子ども心を刺激された。
本当に月を縮小したら、作品のテイストを変えたらパニック映画になる。でもこのアニメでの影響は、引き潮でサーファーがひっくり返ったのと、吠えていた狼男が裸の人間の男に戻りそそくさ逃げただけ!だいぶ大したことない影響で笑えた。
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アメリカの日常を垣間見れた。住宅街、バレエ教室、遊園地、景品のフワフワのユニコーン、絵本など。
三匹の子猫の絵本は、本当にありそう。ブラシで子猫を梳かしてあげるシーンが可愛かった。
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グルーの家のあのトゲが生えた棺桶みたいのは、エリザベートの鉄の処女をイメージしてるのかな。なんであるのか謎だけど。
あの犬っぽいが、犬じゃない奴。鋭い歯が飛び出ていて明らかに危険。でもよく見たら毛並みがフワフワ。だんだん可愛く見えてきた。この謎生物が女の子を怖がって、尻尾を巻いて逃げるのがユーモラス。
悪徳銀行の柱のデザインが悪趣味かつリアル。こんな絵本みたいな話に銀行融資の話が出て来るなんて、大人なブラックユーモア。でもここで捻り潰されたのはリンゴだけだから、やっぱり子ども向け。
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気軽に見られてリラックスできた作品だった。