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朧夜の女のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

朧夜の女(1936年製作の映画)
3.7
五所平之助監督の初期作品。
この時代の映画は当時の貴重な資料を拝見しているようで物凄く興味深いし、惹かれるものがある。
俳優のほとんどが明治生まれとあって醸す雰囲気が今とどこか違う。
内容は今の時代にはそぐわないものだが悲しい話となっている。
女手一つで育てられ、大学の勉強そっちのけで小説を読むことを母に心配される息子は母の兄に連れられバーに出向く。そこで元芸者の照子に出会う。やがて2人の間に子供ができるが母(妹)や甥を想い自分の子だと妻や周りに嘘をつくが・・・。
まだ若く、許されない愛が描かれておりこんなことしても誰も幸せにならないと思うと辛い。正直に話せれば、話しておけば。
照子の浮かべた涙にぐっとくるものがあった。
ただまあ一番の犠牲者は子供に違いない。

ちょい役で口髭を蓄え医者として出演する佐分利信が若かった。
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