江戸時代の庶民の生活を描いた人情物語でホロっとする。
何の気なしにＢＳ放送にチャンネルを合わせてみた作品。岸恵子さん主演の市川崑監督との事で古い静かな時代劇と思いながら見始めました。
江戸時代の貧しい人々が暮らす長屋を舞台にした人情話。原作が山本周五郎さんなのですが、恥ずかしながら本を余り読まない私にはこんな原作を書かれている事など知らない世界でした。
舞台が示すように落語の人情話を映像化したような心温まる優しい作品でした。
長屋で夫を亡くした後、５人の子供と暮らす‘かあちゃん’の家に小金を貯めこんでいる噂を信じて泥棒の青年が忍び込む。しかしかあちゃんに見つかる事になり、説教を受ける。
その上、青年の身の上を察したかあちゃんは泥棒の青年を親戚の人間として迎え入れ家族同様に接していくのだった・・・。
岸恵子さんが心優しく、他人を家族同様に迎えていくかあちゃんを演じてホロッとさせてくれます。周りを固める脇役陣も小沢正一さんを始め、落語のの様な世界を見事に描き出してくれています。先日の『四十七人の刺客』に続いての市川崑監督作品の鑑賞になりましたが舞台の時代の描き方はやはり通じるところを感じました。
私には市川監督の作品は受け入れ安く感じる監督さんでもあります。
ほっとしたくなる気分を求めるときには良い作品ではないでしょうか。
