アトミ

黄金時代のアトミのネタバレレビュー・内容・結末

黄金時代(1930年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

85点

サソリの生態。

海岸岩場で数人の司教(マジョルカ人)宗教儀式。マジョルカ人上陸を阻止しようとする飢えた賊(原住民的比喩?)は儀式の場へ向かうが次々と行き倒れていく。

時は流れ、沢山の民衆が船で司教が宗教儀式を行っていた場所にやって来て祈りを捧げる。と、突然レイプ(彼女?)しだし、取り押さえられる男。便器に座り泣く彼女を想う。火のついたトイレットペーパーはヒラヒラと舞う。湧き出るマグマ(うんこ?)と水洗トイレの音。
男はその場から刑事?に連れ出され、式典は続けられる。男は吠える子犬蹴り飛ばし、虫を踏みつぶす。暴力男。
そして場面は築かれた近代都市へ。


人人人。車車車。日曜日の住宅破壊(解体)。名所。バイオリンを蹴りながら歩き、踏み潰す紳士。偉人の銅像と同じく、頭に大きな石を乗せて歩く紳士。
こんな場所まで連行されてる暴力男。彼女を想う。

彼女はこの前のレイプ?で右指を負傷し、包帯スタイル。ベッドの上でくつろぐ乳牛。カウベル。ドレッサーの鏡の中の青空、白い雲とそこから吹き込む風。暴力男を想う。
その頃男は吠える犬に苛立ち、すれ違う男に怒鳴る。男は国際人道協会の特別使節だった。タクシーを呼び止めた盲人を蹴り飛ばし、タクシーに乗り逃げる。

X侯爵のローマ館パーティー。
上流階級貴族がどんどん集まる。顔にハエが集った老紳士(彼女の父X侯爵?)。カウベル。会場の中を馬車がうろつくが、皆「平然」。

猟から戻った若い男(ディナー用?)。少年(息子?)がはしゃいで出迎える。

厨房から火の手が上がり、メイドが焼け死ぬが皆「平然」。

外では少年が若い男にイタズラし、はしゃいで庭を駆け回る。ブチキレた若い男は猟銃で少年を射殺。トドメにもう1発。
銃声に気づいた上流階級貴族は続々とベランダへ出る。ザワザワしてるが、まぁ仕方ないか、気を取り直して的に皆部屋へ戻りパーティーを続ける。

そこにタキシードに着替えた暴力男登場。
彼女に声をかけようとするが、マダム(彼女の母?)に呼び止められそのままおしゃべり。
彼女も暴力男に気がついてはいたが女友達に連れらてどこかへ。
マダムはワインを暴力男へ持って来たがこぼしてしまい服にかかる。キレた暴力男はビンタ。
騒然となる会場。喜んでる彼女。ブチ切れX侯爵に暴力男は追い出される。ブルーな彼女。
が、柱の影から外を指さす暴力男に笑顔が戻る彼女。隙を見て外へ。庭でイチャつく2人。

庭で演奏会が始まる。
とりあえずお構い無しにイチャつき、地べたででもイチャつく。
そんな最中に暴力男は横にある石像の足指に何かを感じる。が、とりあえずまた地べたに寝転がってイチャつく。
と、執事が現れ暴力男に「内務大臣陛下から電話です」と伝える。
暴力男は電話へ向かい、残された彼女は石像の足指を舐め回し、愛撫する。

暴力男が電話に出ると内務大臣はカンカンに怒っていた。
多くの女性、老人が死に、子供に至っては1人残らず命を落とした模様。
暴力男は「そんなことを言う為に電話したのか?」と逆ギレし電話をぶち壊し、大臣は名誉も失い銃で自殺。死体は天井に転がる。

暴力男は彼女の元へ戻りイチャつく。
2人は心で会話する。
「なんて素敵な事かしら。子供たちは天に召された」
突然顔中血だらけ暴力男「我が愛よ。我が愛よ。」と叫び続ける。

と、突然指揮者が頭を抱え出し、演奏中断。
指揮者はフラフラと歩き、庭の奥にいる暴力男と彼女の元へ。
苦しむ指揮者の元へ駆け寄る彼女。熱いキス。
それを見て、怒って立ち上がった暴力男は木の枝に頭をぶつけ、フラフラと歩き、屋敷へ戻り彼女のベッド倒れ込む。
枕を引き裂き、羽毛を取り出し窓から燃やした木、司教、キリンのオブジェ(コレはいきなり海へと投げこまれる)等を捨てる。

その投げ捨てられた羽毛が地面を覆った瞬間。遠くセリニィ城の残党たちがパリに戻ろうとしていた。
4人の悪党共は酒神の祭を祝う為にこの難攻不落の城に120日も籠城。
彼らは神も節操も宗教も持たず、法は堕落の象徴だった。
彼らの犯す罪は汚辱にまみれたものであり、女の命は1匹のハエの重さすらなかった。
8人の娘と同数の少女を城に連れ込んだが、貧弱な彼らの想像力が役に立つことはなかった。
この4人の「怪物」は自らを奮い立たせる為に4人の堕落した女をも連れて来ていた。
そして今。4人の残党はセリニィ城を離れる。
彼らのリーダーたる首謀者ブランジィ侯爵(かの有名な救世主に似てる)は城の外へ。
追いかけて来た血だらけの女を侯爵はまた城へ連れはいる。女の悲鳴。

毛の生えた十字架に降り積もる雪。とコミカルなサントラ。ちゃんちゃん。




てなお話。
色々と不明はシーンもあるが、筋としてはこんな感じかな(見間違えある自信アリ)。
一応ちゃんと筋があり、テーマも見える。
非常識なものも日常的となってしまえば「普通なこと(常識)」となる。

現代でも毎日沢山の子供たちが死んでいるが、それも日常。我々は平然と生活する。
子供が撃ち殺されてるのにパーティーは続くってのは面白いシーンだな。

そして宗教。
日本でも普通に仏教、神道が日常になってるけど、冠婚葬祭の度に儀式がシュール過ぎて頭がおかしくなりそうになる。
なんで皆それに疑いを持ったりしないのかな?
まぁ疑いと言ったら大袈裟だけどちょっと受け入れ過ぎてる印象が強いかな。
そんなことを考えさせられる映画。


PS
そらあの有名人をあんな感じにするからあんなことになるんだよと、感心。
アトミ

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