アー君

黄金時代のアー君のレビュー・感想・評価

黄金時代(1930年製作の映画)
3.5
これはダリと組んだ「アンダルシアの犬」以降の作品であり、前作に比べるとそれほど有名ではないかもしてないが、本作は映像詩人ルイス・ブニュエルのもう1つの問題作である。

寝室になぜかいる牛、パーティー会場の馬車の乱入などは本来あるべきではない物が存在させる絵面は、シュルレアリスムの技術である「デペイズマン」を多用していたが、これはジョークではなく哲学的な行為であり、平面による絵画作品よりも動く映像で見せつけられたほうが印象は残る。

目の不自由な人への飛び蹴り、キリンや聖職者を窓から落としたりと、暴力、エロ、宗教批判等やりたい放題で、あの時代(1930年)は反体制的な表現にお上は寛容なのかなと思ったら、上映中に保守派から妨害行為があり、案の定しばらくは上映中止になったとのこと。

それにしても、ある一部の映像で反復されたドラムの音響効果が先鋭的かつインダストリアルでカッコ良すぎ(笑)
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