Sari

黄金時代のSariのレビュー・感想・評価

黄金時代(1930年製作の映画)
3.9
ルイス・ブニュエル監督が『アンダルシアの犬』に続き、サルバドール・ダリと組んだ前衛映画の傑作古典。

パトロン、ド・ノアーコ侯から援助を得て自由に作られたシュルレアリスムの悪夢的イメージの爆発、しかもサイレント映画ではなく音付き。しかし、『アンダルシア…』と違って、一応の筋のようなものはあるものの、著しく合理性を欠くストーリーで、彼の後期問題作『ビリディアナ』『皆殺しの天使』と重ね、徹底的に宗教やブルジョワ階級を揶揄した映画だと言われる。

ネズミを襲うサソリ、ならず者たちの会合、海辺の岩場でミサ、骸骨、狂人、犬、カブトムシ、鏡の中の雲、居間に牛、客間に馬車、マグマとトイレ、女の涙、トイレット・ペーパーが海藻・・・などの禍々しい映像の連続に、右翼がスクリーンに向かって爆弾を投げつけられる事件が発生して、その後50年間上映禁止・封印された問題作。

シュルレアリスムを代表する画家の一人、マックス・エルンストが出演。
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