めしいらず

黄金時代のめしいらずのレビュー・感想・評価

黄金時代(1930年製作の映画)
3.1
ダリとブニュエルが再びタッグを組んだシュールレアリスム映画と言われているけれど、ここにはダリ的なニュアンスはほとんど感じられない。仔犬に吠えたてられ無残に蹴り飛ばし、盲人を突き飛ばしてタクシーを奪い、年配女性を公衆の面前で平手打ちし、子供にライフルを向け射殺する。観客が予感し心配した通りの方向に必ず進んでいく。そんな公序良俗や倫理観を虚仮にしてほくそ笑む感覚的な気持ち悪さを狙った感じがある。そこには西洋社会やキリスト教への挑発的な意味合いや脈略があって、だからシュールレアリスムからはむしろ遠退いていると思う。つまりは極めてブニュエル的映画と言えるだろう。イメージの一つ一つにシュール感こそあるけれど、極めてダリ的だった「アンダルシアの犬」の時のような跳躍力がない。
再鑑賞。
めしいらず

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