針

黄金時代の針のレビュー・感想・評価

黄金時代(1930年製作の映画)
3.8
アマプラで。『アンダルシアの犬』に続くブニュエル×ダリによる映像作品。

物語の流れみたいなものがある分『アンダルシア』より観やすいけど、その内容は正直よく分からない。キリスト教やブルジョワジーに代表されるヨーロッパの文化と歴史に対して、あけっぴろげな性欲と黒いユーモアを投げつけたシュールレアリズム映画って感じなのかな。

なんの脈絡もなく唐突にひどいギャグ?が挿入されるのでわりと楽しくは観れました。なぜかベッドに巨大な牛が寝てたり、日曜日ごとに町の一角が爆破されたり、パーティー会場のキッチンで火事が起きても誰も見向きもしなかったり。
主人公とヒロインの心理もよく分からないんだけど徹頭徹尾リビドーのとりこって感じがする。

のちの映画と考え合わせると『アンダルシア』よりもよりブニュエル色が強まったような。
あとはトーキーではあるんだけど、セリフのないシーンではムーディーなクラシック調の音楽が絶え間なく流れていて、サイレント映画につけられるBGMに近い感触がしました。これがオリジナルの音声なのかは分からないけど。

『糧なき土地』も観たいんだけどどっかで観れるかなぁ。
針