ロロノアゾロ

少林サッカーのロロノアゾロのレビュー・感想・評価

少林サッカー(2001年製作の映画)
2.0
★★【凡作】

『少林サッカー』は、中国のアクションコメディ映画であり、スティーブン・チャウ監督・脚本・主演による作品である。

本作は、元少林寺の修行僧たちが、サッカーチームを結成して強豪チームと戦うというストーリー展開であり、独特なアクションシーンや、斬新な特殊効果が話題を呼び、中国をはじめ、世界中で高い評価を受けた作品の一つだ。しかし、一方で、本作には批判すべき点もある。まず、映画全体がコミカルな雰囲気で作られているため、物語の展開があまりにもファンタジー的であり、リアルさや説得力に欠けるという点だ。特に、サッカーの試合シーンでのアクション演出が非常に派手で、現実にはあり得ない技が多く見受けられ、サッカーファンからするとありえなさをひしひしと感じてしまう。また、登場人物たちのキャラクター造形も、過剰であり、それぞれが過剰な特技を持っているため、キャラクターの深みがなく、観客が感情移入することが難しい。さらに、本作が描く「少林寺」というテーマについて疑問がある。元少林寺の修行僧たちが、サッカーに熱中している様子を描く本作は少林寺が本来持つ精神や哲学を、軽視している。また、映画内で少林寺の過去を描く場面において、過剰な演出や、歴史的事実と異なる部分が多々ある。本作は娯楽性の高い映画として楽しめる作品でありながら、リアルさや深みに欠け、キャラクターやテーマに関しても批判する点がある。サッカー好きの方や、特殊効果を楽しめる方にはおすすめだが、ストーリーやキャラクターに深みを求める方には向いてない作品だろう。