うにたべたい

黒い蠍のうにたべたいのレビュー・感想・評価

黒い蠍(1957年製作の映画)
2.8
メキシコで火山が大噴火する。
その地質調査のため現地を訪れた「ハンク」と「ラモス」は、サンロレンズという村を目指すが、その途中で破壊されたパトカー、赤ん坊が取り残された家、そして恐怖の表情で死んでる警官を発見する。
サンロレンズの村についた2人は、村の神父から、この周辺で発生している不可思議な事象について語られる。

1950年代のアメリカ特撮。
タイトルの通り巨大化した"サソリ"が暴れ回ります。
サソリは単体ではなく集団で登場。
トラックサイズの巨大サソリが無機質に人々に襲いかかり、巨大なハサミで人間を振り回す姿は素晴らしく、これぞ特撮、これぞモンスター映画という感じがしました。
サソリ以外にもハサミのある尺取虫のような生き物やカニグモ(どちらかというとダニのようなデザイン)も巨大化し、巨大サソリと争うシーンがあって興奮しました。
昆虫王者決定戦とか、昆虫バトルとか、そういうのを見てるとサソリって鉄板じゃないですか、普通にフォルムがカッコイイですしね。
そんなサソリが巨大化してなんか巨大な生き物と戦うとか、製作者はわかってますね!

サソリやその他の巨大生物は、ウィリス・オブライエンによるストップモーション・アニメーションで表現されています。
虫のロボットライクな動きとストップモーション・アニメーションは親和性が高いようで、他作品ではなんだかんだでストップモーション・アニメーションっぽさみたいなものを感じていたのですが、本作は特に動きが自然な感じを受けました。
オブライエン以外にも本作には同時代のアメリカ特撮の重鎮が参加しているそうで、特撮映画を語る上では外せない一作だと思います。

ただ、面白かったかというと微妙なところで、尺の間延びがあって退屈を感じる部分がありました。
ストップモーション・アニメーションのサソリと、顔面アップのサソリで造形が違いすぎで、アップのサソリが不細工すぎで迫力に欠けます。
あのサソリがいいんじゃないかという声もありそうですが、私的にはサソリはアップになってもサソリであってほしかった。
今見ると古過ぎてムリというほどではなく、見所もあるので、サソリとか好きな少年心持つ方にはおすすめです。