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怪獣ゴルゴのmitakosamaのレビュー・感想・評価

怪獣ゴルゴ(1959年製作の映画)
3.4
イギリスの怪獣映画。ゴルゴ!この時期の海外特撮にしては珍しくストップモーションじゃなく、着ぐるみによる撮影。
朴訥な着ぐるみといい、日本特撮を見慣れてる人からすると親しみがある。
一方で当たり前だけど舞台がロンドンなんだよね。50年代末期のアイルアンドの港町や、ロンドンの風景がまた良い。赤いロンドンバスやビルに「GORGO」の看板が飾られ、街中に装甲車が走る。
イギリスの風景と怪獣のミスマッチ感も新鮮だわ。

物語は、アイルランドの島で見つけた恐竜の子供をロンドンに運び見世物にしてたら、親恐竜が怒って取り返しに来た、というもの。
奇しくも似たような話のモスラと同年の61年公開。
その後の日活ガッパ、ゴジラVSメカゴジラなども、この物語のフォーマット上にあるね。

話がシンプルでわかりやすいし、ビジュアルも良くできてる。
着ぐるみはヒレ状の耳がついたパチモンのゴジラみたい。ただ、合成が凄い上手い。怪獣や倒壊する街並みと、人物とが同一画面内に上手いこと収まってる。これによりパニックムービーとしての完成度が高まってる。
後半の親ゴルゴの暴れた際の、逃げ惑う群衆の緊迫感は凄い。結構瓦礫に押しつぶされる民衆の描写とかが多い。
“ゴジラサポーターの皆さん”とはワケが違うわ。
原寸大模型やミニチュアとの使い分けも上手いし、実際に街中を走る軍車両なと見所も多い。ロンドン橋など観光名所が壊されるのもお約束。

赤く焼けたロンドンの夜空に浮かぶ親ゴルゴ。ロンドンの街並み込みで美しい怪獣ですな。
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