地底獣国

怪獣ゴルゴの地底獣国のレビュー・感想・評価

怪獣ゴルゴ(1959年製作の映画)
2.9
1961年のイギリス産怪獣映画。捕らわれてサーカスの見せ物にされている子供を救うべく親怪獣がロンドンに上陸して暴れ回るというプロット、同年の「モスラ」に似てるけど多分偶然だろうな。そして後年「大巨獣ガッパ」「ゴジラvsメカゴジラ」「ジュラシックパークⅢ」等で擦られることに(今思い出したけどナウシカにもちょっと似たような部分あったな、あとジョーズ3とか)。

イギリスの怪獣映画っていうのもレア(まあ多分マイナーなやつは結構あるのかもしれんけど)な上に着ぐるみ特撮でやってるというところがさらに稀少。

国は違えど巨大怪獣は名所に行きたがるものらしく、本作ではロンドン橋やビッグベンが破壊される。ミニチュアの外観か精巧だけど壊れ方がちょっと雑なのが惜しい。

それを補うかのように本作、逃げ惑う人々の頭上に瓦礫が降り注ぐという描写に力が入ってる。小さい画面で見たんではっきりとは分からんけど大体は合成で、発泡スチロールとかで作ったやつを実際に撒いてる場面もあるような感じ。ひょっとして監督か特撮担当の人が空襲のトラウマでも抱えてたんか?と思うぐらい執拗に降ってきた。

そしてこれは褒めて良いのか少し迷うが、ゴルゴを攻撃する場面、特に海戦シーンで役者が演じてる部分と特撮カットに加え記録映像を良い感じで交えて緊張感を高めてる。爆雷と砲撃で一度海底に沈んだゴルゴが急浮上してきて駆逐艦にのし掛かって沈めるところはなかなかの迫力‥ってあれ?つい先日観た映画に似たようなシーンあったような…

そんなわけで怪獣・モンスター映画史に興味あるという方にはお薦めの一本。

余談:本作の監督ユージン・ローリーは過去に(ゴジラの元ネタになった)「原子怪獣現わる」やそのセルフリメイク的作品「大海獣ビヒモス」を撮っているが、これら過去作のラストが自分の娘にウケが悪く、その事を踏まえて本作のラストを決めたんだとか。
地底獣国

地底獣国