イチロヲ

怪獣ゴルゴのイチロヲのレビュー・感想・評価

怪獣ゴルゴ(1959年製作の映画)
3.5
巨大怪獣の捕獲に成功した人間たちが、見世物にするべくロンドンへと連れ出してしまう。特撮ファンのあいだでは「大巨獣ガッパ」の元ネタとして周知されている、イギリス産の特撮怪獣映画。「原子怪獣現わる」の監督が手掛けている。

怪獣ゴルゴは、アイルランドの伝承に登場する「航海の神様」という設定。日本映画と同質の着ぐるみを採用しており、ミニチュア撮影、アナログ合成と併せて、特撮の出来栄えは極めて良好といえる。

物語内容は、静かに眠っていた巨大怪獣が、私利私欲に塗れた人間たちにより、翻弄されてしまうパターン。子ゴルゴと親ゴルゴのシークエンスは、さながら「モスラ」であり、「コレをやってみたかったんだよねー」という、製作陣の茶目っ気が見え隠れする。

前半部、等身大の子ゴルゴを荷台に乗せて、ロンドン市内を引き回す場面が圧巻。親ゴルゴが上陸すると、ロンドン橋、ビッグ・ベンに対する都市破壊を定石通りにやってくれる。怪獣の着弾描写が弱いけれども、総合的には好印象を受ける。
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