戦争という矛盾は誰しも抱える人間の相反する二面性をあらわにする。
平和を欲する心
(ローリングストーンズ)
と
敵を殺さなければならないと植えつけられた国民意識・名誉欲
(ミッキーマウスマーチ)
が相克する。
主人公は頭に殺戮のヘルメットを背負い
心に平和のバッジをはめる。
そこには名誉も何もない。
戦場シーンを横からなめるようなカメラワーク。
無音と緊迫。
荷物がぶつかり合う音。
まるで戦場にいるかのような錯覚を覚えた。
これ以上は言葉が出てこない。
誰も反戦とか悲惨とは野暮なことは言わない。ただ、そこにある死を見つめ、沈鬱とした気持ちになる。