スリーパーのmareのレビュー・感想・評価

冷凍睡眠から200年ぶりに目覚めたウディ・アレンが訳もわからぬうちにお尋ね者にされてしまう初っ端からドタバタなコメディでかなり笑える。近未来を意識したセットの一つ一つがとてもチャーミングで建物やドーム型の車、背中にプロペラがついた飛行装置やパンパンに膨れ上がる宇宙服など創意工夫に富んだアクションやギミックが満載で視覚的に楽しい。皮肉屋らしい監督としての持ち味も発揮しながら、自らがコメディアンとして社会体制を打ち倒そうとする見せ方はやはりチャップリンと通じるものがある。どんなに効率化された味気ない未来でも最後まで人間の愛と性を肯定するのはいかにも彼らしい。